春雷　連載後記

　「連載」というほどたいした話でもないのですが(^^;)、一応完結しました。

　書き上げるのにいちばん時間がかかり、恥ずかしくて、決して読み返したくないのが「第三章」です。
　「第一章」、「第二章」ともに、濡れ場中心なのですが、逆にこちらの方がわりとすんなり書けてしまいました。
　いちばんはじめに「第二章」ができて、次に、そのシーンまでどうやって話を持って行こうか悩んだのが「第一章」です。

　「欲望と恋のめぐり」の最終回で、鳩羽と綾が春休みにお出かけする、という話になっていたので、まずその設定だけは決まっていました。
　とりあえず一泊旅行かな、ということで当然お泊りするわけですが、翌朝に綾がシャワーを浴びているシーンがまず最初に私の頭の中に浮かんだのです。
　前夜の余韻をかみしめたりするのかなぁと思って(^^;)、妄想全開の「第二章」ができました。
　キスマークのシーンを冒頭に置いて書き始めていたら、何とCheese!7月号の「トロイメライ」でも、清子が狼にキスマーク（＝俺の印）を付けられていたので、びっくりしました。
　「ああ、またかぶっちゃったなぁ」と....(^^ゞ
　「刑部真芯作品との出会い」にも書いたのですが、結構刑部さんが描かれるお話の中で、私が考えていたシチュエーションと似ているところが多々あるのです。部分的なんですけど。（当然、刑部さんと私には何の接点もありません）
　
　それはさておき、「第二章」を書いたあと、「第一章」に取りかかりました。
　旅行の行き先はどこにするか、どんな宿泊地（ホテルor旅館）にするか、どういう流れで濡れ場にもっていくか....などなど、具体的に考えなければならないことがたくさんです。
　最初は旅館で温泉に入る設定にしようかとも思ったのですが、高校2年生のカップルが温泉でしっぽりするかなぁ....？と疑問に思い、やめることにしました。最近の高校生はどうなんでしょ？
　で、もうひとつの設定「鳩羽の昔の恋人を登場させたい」というのがあったので、旅行先は鳩羽の地元の近く、宿泊地はホテル、ということに決めました。温泉Hも捨て難かったですけど、普通にベッドの方がいいかな、と思って(^^ゞ

　次に、「そのシーン」に至るまでの流れですが(^^;)、書いていたとき、たまたまうちの近くで大雨が降り、雷が轟きました。
　「あ、これを使おう！」と思いました。
　嵐だったら、びしょぬれになるし、自然にそういう方向になるかなぁ....と。古典的なんですけどね。
　雨の中でのキスシーンとか、窓の外はゴウゴウ唸る雷雨で、部屋の中では二人の濃密な時間が流れる....なんていうのが、どんどんイメージされて、書くのが楽しくなってきました。
　ほんとはもっとたくさん書きたいシーンもあったのですが（多分彼らは夜通し愛し合うと思うので(^^;））、しつこくなるのでやめました。
　翌朝も早速いちゃいちゃしてるし....。

　で、「第一章」、「第二章」は終わり。次は「第三章」です。
　ここがいちばん悩んで、何通りかの設定を書いては消し、書いては消しました。
　鳩羽の昔の恋人の人物像がなかなか定まらなかったのです。
　はじめは、不良仲間の親友（男）の恋人（女）が鳩羽を好きになって、妊娠騒動を起こした挙句、その親友は事故で死亡....なんていうベタベタな設定を考えたりもしました(^^;)
　でも書いていて嫌になり、没に。
　次は、鳩羽は幼なじみ（男、女）と三人組で仲良くしていて三角関係だった。そして女は桃に似ている可愛い子で、それを見た綾は、かつて自分の大事な人（龝）を桃に取られたことを思い出し、悲しくなる....とか、引きの弱いことを考えたりもしました。
　でもどれもこれもしっくりせず、結局今回の話に落ち着きました。
（今回のも自分の中ではベストっていうわけではないんですけど）
　はすっぱな不良娘も、桃に似た可愛い子も鳩羽の好みではないだろうなと思い、「年上の美人」と付き合っていたことにしました。
　鳩羽はとにかく綾にベタ惚れなので、綾からかけ離れた人物では違和感がある気がしたのです。
　で、私としては、鳩羽が本気で惚れた初めての相手が綾であって欲しかったので、「相手の方が鳩羽を好きで付き合い始めた」というかたちにしたわけです。

　いずれにしてもベタとしか言いようのない話で、あまりの想像力のなさに自分でも辛いものがあります(^^;)
　開き直って書いていますが....。


　今後の予定としては、「鳩羽×綾」でふたつほどお話を考えています。
　長文が書けないので、多分また連載になると思います。

　あとは、常盤会長と鳥貝さんのエピソードも短めで書こうと思っています。
（つくづく脇役好きですね(^^;)）

　ではまた(^o^)／

2002.6.28UP

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